笠岡市条例第13号                  平成24年3月27日議決

                           平成24年3月28日公布

 

笠岡市犯罪被害者等支援条例

 

(目的)

第1条 この条例は、犯罪被害者等の支援に関し,基本理念を定め,並びに市の責務及び市民,事業者並びに民間支援団体(以下「市民等」という。)の役割を明らかにするとともに,犯罪被害者等の支援の基本となる事項を定めることにより,犯罪被害者等の支援を総合的かつ計画的に推進し,もって犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 犯罪等 犯罪(刑法(明治40年法律第45号)第37条第1項本文,第39条第1項又は第41条の規定により罰せられない行為を含むものとし,同法第35条又は第36条第1項の規定により罰せられない行為及び過失による行為を除く。)及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。

(2) 犯罪被害者等 犯罪等により被害を受けた者及びその家族又は遺族をいう。

(3) 市民 市内に居住し,又は市内で働き,学び,若しくは活動する個人,法人,その他の団体をいう。

(4) 民間支援団体 犯罪被害者等の支援を行うことを目的とする民間の団体をいう。

(5) 関係機関等 県,警察その他関係行政機関をいう。

(基本理念)

第3条 全て犯罪被害者等は,個人の尊厳が重んぜられ,その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。

2 犯罪被害者等の支援は,被害の状況,原因及び犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて適切に講じられるものとする。

3 犯罪被害者等の支援は,犯罪被害者等が,被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間,必要な支援を途切れることなく受けることができるよう,講じられるものとする。

(市の責務)

第4条 市は,前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき,犯罪被害者等の支援に関し,国及び県との適切な役割分担を踏まえて,施策を総合的かつ計画的に策定し,及び実施する責務を有する。

(市民等の役割)

第5条 市民等は,基本理念に基づき,犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することのないよう十分配慮するとともに,市及び関係機関等が行う犯罪被害者等の支援に協力するよう努めるものとする。

 (相談及び情報の提供等)

第6条 市は,関係機関等と連携して,犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため,犯罪被害者等が直面している各般の問題について相談に応じ,必要な情報の提供及び助言を行い,犯罪被害者等の援助に精通している者を紹介する等必要な施策を講ずるものとする。

(保健医療・福祉サービスの提供)

第7条 市は,関係機関等と連携して,犯罪被害者等が心理的外傷その他犯罪等により心身に受けた影響から回復できるようにするため,その心身の状況等に応じた適切な保健医療サービス及び福祉サービスが提供されるよう必要な施策を講ずるものとする。

(安全の確保)

第8条 市は,関係機関等と連携して,犯罪被害者等が更なる犯罪等による被害を受けることを防止し,その安全を確保するため,一時保護,施設への入所による保護,防犯に係る指導及び犯罪被害者等に係る個人情報の適切な取扱いの確保等必要な施策を講ずるものとする。

(住居の安定)

第9条 市は,関係機関等と連携して,犯罪等により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等の居住の安定を図り,又は犯罪被害者等が更なる犯罪等により被害を受けることを防止するため,犯罪被害者等に対する一時的な利用のための住居の提供等必要な施策を講ずるものとする。

(雇用の安定)

第10条 市は,関係機関等と連携して,犯罪被害者等の雇用の安定を図るため,犯罪被害者等が置かれている状況について事業主の理解を深めるために必要な施策を講ずるものとする。

(市民等の理解の増進)

第11条 市は,関係機関等と連携して,社会全体として犯罪被害者等の支援が推進されるよう,教育活動,広報活動,啓発活動等を通じて,犯罪被害者等が置かれている状況,犯罪被害者等の名誉又は生活の平安への配慮の重要性等について,市民等の関心及び理解を深めるために必要な施策を講ずるものとする。

(人材の育成)

第12条 市は,関係機関等と連携して,犯罪被害者等の支援の充実を図るため,相談,助言,日常生活の支援その他の犯罪被害者等の支援を担う人材を育成するための研修等必要な施策を講ずるものとする。

(民間の団体に対する支援)

第13条 市は,民間支援団体その他の犯罪被害者等の支援活動に関係する団体が,適切かつ効果的に犯罪被害者等の支援を推進することができるよう,情報の提供又は助言等必要な施策を講ずるものとする。

(委任)

第14条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,市長が別に定める。

 

附 則

この条例は,平成24年4月1日から施行する。