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「性犯罪被害者の心理」講演全文   その5 

大阪高等検察庁 田中嘉寿子検事

  • 性犯罪の加害者

性犯罪の加害者は,自分が悪いことをしているとは余り思っていません。法務省で,以前,性犯罪の受刑者にアンケートをした結果では,物を盗んだわけでも,怪我をさせたわけでもないので,被害を与えたとは思っていない人が多かったです。また,性犯罪の動機は,一般に性欲だと思われていますが,性欲より支配欲の方が強いです。ですから,妻や恋人がいる加害者も多いです。恋人もいるし,風俗でも遊んだけれど,でも「強姦」をしてみたかったという人もいました。被害者を支配し,警察にも捕まらない「俺ってすごいぜ」という万能感があるので,常習犯になりやすいのです

加害者にとっての性犯罪は,わいせつビデオ1本見て楽しんで終わった,みたいな感覚ですが,被害者はそれによって一生苦しみます。抵抗できなかった惨めな自分を認識して自尊心を失います。自分はもうだめだという感覚になります。安全神話も崩壊するので,恐怖で生きていけない感覚になり,どんどん人生の選択肢が減って引きこもってしまう場合もあります。自尊心や社会の安全感という人が生きていく基盤を剥奪されますから,一生,忘れられません


 

性犯罪は無罪率が高いとか量刑が軽いと言われることが多いです。裁判官の立場で法廷に来る被告人を見てみると,一般犯罪者が圧倒的に多いのです。私も検察官になって驚いたのですが,毎日検察庁に来る被疑者の9割以上は中卒です。日本は高卒が9割以上いるはずなんですが。一般犯罪者は,学校も行かず,仕事も続かず,社会からドロップアウトしてしまった人が多く,家族との絆も薄いし,法廷でも適切な言動ができないし,前科があるという人が多い。

 その中で性犯罪者は,高学歴(高卒以上)で,仕事も頑張っている。職場で高い評価を受けている人も多い。こんなに仕事を頑張っている人が性犯罪なんかするわけがない,と言われます。最近もどこかの校長先生がフィリピンで1万件以上買春していた事件がありました。社会的地位がある人でニュースになるのは,飲酒運転と性犯罪くらいですよね。お金もあるから示談金も払える,もう2度としません,と法廷で真面目に言います。しかし,性犯罪は病気みたいなものなので,比較的再犯率が高いです。外で頑張っている分のストレスを弱い女性相手に発散するのが性犯罪ですから,外で頑張っているのは再犯の抑止力にはなりません。

性犯罪加害者の治療・教育しているので有名な藤岡淳子先生が書かれている「性暴力の理解と治療教育」という本の中でも,加害者の動機は性欲というより,支配欲であると書かれています。また,性犯罪者のグループワークをすると,参加者が他の参加者をみて驚くのはみんな普通の人ということです。今日は,凍りつき症候群について皆さんにお話しましたが,後ろから声をかけるだけでやすやすと性犯罪をしていた青年が,暴走族との対立抗争の中で,自分が暗闇で声をかけられ恐怖で凍りついて,初めて被害者が凍りつくのはこういうことなのかとわかった,と言っいたそうです。加害者が被害者を凍りつかせるのは,とても簡単なんです。そして,従順懐柔反応は一番裁判官に理解してもらいにくいところですが,ある性犯罪少年が,遊び仲間と輪姦していて,「強姦は,彼女とのセックスとも違うし,わいせつビデオとも違っていた。ビデオでは被害者が泣き叫ぶが,実際にはホテルの部屋に連れ込んで,男3人で囲んだだけで被害者は大人しくなり,進んで服を脱いだりポーズをとったりしてくれた。ハーレムの王様になったようで気持ち良かった」と言ったそうです。刑事裁判の法廷や取調室では,加害者はこんな正直なことは言ってくれません。刑事責任を問われることなく,逆に,自分の犯した罪と向き合って正直に言えば言うほど治療が進んだと評価される治療場面だからこそ言う本音です。

加害者は,自分のしたことを認めようとせず,自分と向き合うことをしません。様々な防衛機制で自分の心を守ります。

次に,被害者にとっての刑事手続について見てみましょう。被害者にとって,刑事手続の負担はとても重いんですが,最近は負担が少しでも軽くなるように制度が変わってきました。裁判の準備で記録を弁護人に開示する場合も,加害者には被害者の名前や現住所が分からないよう配慮されているので,どれくらいプライバシーが守られているのかについて,支援者の方には分かっておいてほしいです。ここ数年の間にどんどん変わってきています。被害者の体験記では,少し前の手続が書かれていますので,住所が加害者に分かってしまって怖かったということが出てくることがありますが,今はそのようなことはありません。最新の情報を確認して頂ければと思います。

 

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