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「性犯罪被害者の心理」講演全文   その2 

大阪高等検察庁 田中嘉寿子検事


性被害者に起こっていること  正常性バイアス



そもそも人はなぜ逃げ遅れるのか,その原因が正常性バイアスです。正常性バイアスは,防災関係のホームページによく出てきます。何か異常なことがあっても,正常の範囲内だと思いこんで無視する気持ちです。もし,この病院で,この瞬間に少しグラっときたら,皆さんすぐ逃げますか? どうせ震度2くらいで収まるだろうと思ってじっとしていませんか?人は,警報が鳴ったらすぐ逃げるかというとなかなか逃げないのです。その事実が,2度の大震災を経て分かってきました。正常性バイアスが働いて逃げ遅れてしまう,そういうことではダメだ,正常性バイアスを打ち破って避難行動をどう取らせるかが防災の課題です。


正常性バイアスの一例として,御嶽山噴火があります。遺品のカメラの中に噴火の写真がたくさん残っていたそうです。そんな写真を撮ってないで,すぐ逃げれば良かったはずだと思いますが,それは,他人事として見ているからであって,自分がその場にいたら,なかなかすぐに噴火が自分のところにくると思わないんですね。

性犯罪の場合は,まさか襲われると思ってなくて,逃げるチャンスを失う。後からみると,あのときに逃げれば良かったという時期はもう少し早い段階にあったかもしれませんが,後の祭りということが多いんです。正常性バイアスが働いて回避機会を喪失してしまい,後から見ると,どうして回避しなかったのか,なぜ付いていったのということになります。

 

もう1つ同調性バイアスというのがあります。これは,1人でいるときより複数でいるときのほうが,さらにリスク認知が遅れて逃げ遅れやすいということです。

去年,この韓国セウォル号沈没事故のニュース映像を何回もご覧になったと思います。これだけ船が斜めに傾いていたのに,「大丈夫」というアナウンスを何故信じるんだろう,何で逃げないんだろうと思いますよね。でも,高校生らは,同じ部屋にいて,お互いに「大丈夫だよね」と言い合って逃げ遅れ,大勢亡くなってしまいました。これが同調性バイアスです。ドキュメンタリーで生き残った生徒の話を見ました。彼は,ジュースを買いに出たか何かで1人で行動していたのです。1人だと,この傾いた状態がおかしいとリスクを認知できるのですが,皆一緒にいると,「大丈夫だよね」と信じてしまう。





よくスポーツとか学校とか集団の指導者の人が地位を利用してセクハラ行為・性犯罪をするときに,同じような精神構造で,リスク認知が遅れます。普通,ティーンエイジャーが50代のおじさんと密室で2人きりになることなんてないですよね。でも,この人は指導者なんだと思うと正常性バイアスが働いてリスク認知が遅れる上,指導者から,「君の先輩達にも皆にやってきたんだよ,上達に必要なマッサージだよ」などと言われると,「先輩もみんな尊敬してる先生だ」と思えば,先輩がその場にいなくても同調性バイアスが働き,これ普通なのかなと思ってリスク認知が遅れてしまいます。それで1回被害に遭ってしまうと,集団から離脱する決意をしないかぎり,被害に遭ったとは言い出しづらいです。

オリンピック強化選手が合宿中にセクハラされたとして,人生を賭けてるオリンピックを諦めて指導者を訴えますか,ということになる。高校の部活でも,先生を訴えれば,学校にいられなくなる と心配して何も言えなくなる人が多いですしょう。家庭の中で性虐待に遭うと,私だけがこの家から追い出されると思ってしまいます。ですから,集団の中でリーダー的な人にやられると,本当に被害を言えなくなってしまいます。



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