大阪高等検察庁 田中嘉寿子検事
少し時間が押しているので,先のスライドに行きます
警察もいろいろ配慮をするようになり,再現実況見分でも被害者役にダミー人形を使うようになりました。少しずつ被害者に配慮してやり方を変えるようになってきました。被害者や支援者の方から,どうして何度も事情聴取を受けて同じことを説明しないといけないんですか,とよく言われます。警察ではまず被害事実をお話していただき,被疑者の検挙に繋げます。検察庁でお話を聞く場合は,争点になることを確認する,さっきお話しした5つの作為義務の不作為の理由を確認したり,被害者の供述の信用性に関する事情を確認するためにもお話を聞く必要があります。
最高裁で有名な痴漢無罪事件も,凍りつきのことを分かってくれていないので,ストレス反応の基本的なメカニズムについても,検察官は,裁判所に訴えていく必要があると思っています。
講演全文 その1 はじめに
その2 性被害者に起こっていること 正常性バイアス その3 性被害者に起こっていること 凍り付き症候群 その4 性被害者に起こっていること 従順・懐柔反応 その5 性犯罪の加害者 その6 性犯罪の捜査 その1 その7 性犯罪の捜査 その2
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