支援の事例 高校生への性被害

●高校生Jさん

 高校生のJ さんは、夏休みに他県に遊びに行き、知り合いの男性にレイプされました。 Jさんは、その後、体調不良で受診した総合病院で妊娠が判明しました。本人も、Jさんのお母さんも中絶を希望しました。しかし、医師から、「相手の同意がないと中絶はできない」と、言われ、困ったお母さんがVSCO に電話をかけてきました。VSCOの支援員は、病院の相談室を用意してもらい、J さんとお母さんとVSCO の支援員が、相談室で面接を行いました。

 母親が警察に相談すると「事件場所の警察署へ連絡するように」と、言われました。事件が他県で起こったため、出向いての届け出は負担が大きく、届け出は断念しました。

 VSCO は、VSCO の協力弁護士を紹介しました。弁護士との面接で、F さんは、「『いやだ』、と言いましたが、脅され、力が強くて逃げられなくてレイプされました」と、話しました。弁護士が医師に「強姦と認められる」と伝え、相手の合意がなくても、保護者の同意だけで「母体保護法」により、中絶ができました。弁護士費用は法テラスの制度を利用し、負担はありませんでした。中絶に関する手続きに時間がかかり、妊娠中期に入り入院が必要で、費用も30 万円と多額でした。市の被害者支援窓口担当者の協力で、市から病院へ中絶にかかる費用を全て直接支払ってもらうことができました。

 後日、母親から「費用負担なく、無事手術ができ、元気を取り戻すことができました」との連絡がありました。