支援の事例 性犯罪
●性被害にあった学生Dさん
性被害にあった学生のDさんが、被害のことを先生に相談し、先生がVSCOに電話をかけてきました。産婦人科へは母親が連れて行きました。
学校から、「今後、Dさんにどのような対応したら良いでしょうか。」という相談があり、支援員は、先生達と話し合いを持ちました。支援員は、性被害の現状や被害者の心と身体の状態について説明し、Aさんが安心して通学できる場所を確保してくれるようお願いしました。先生達は、「性被害について知ることができました」と言い、教室に入れないDさんのために特別室を用意してくれました。Dさんは、そこに通学していましたが、ガラスに人影が映ったり、グラウンドで男の子の声が聞こえると、加害者の声に聞こえ、被害の時の状況が突然頭の中に浮かび、恐怖で泣き叫ぶなどのフラッシュバックを起こしました。そこで、Dさんは、VSCOが提携している精神科を受診しました。経済的に困窮している家庭のため、※①VSCOの犯罪被害者支援金を利用し、精神科での医療費・薬代・交通費をVSCOが負担し、受診には、毎回支援員が※②付き添いました。
Dさんは、徐々に明るさを取り戻し、アルバイトもできるようになりました。
※①VSCOの犯罪被害者支援金
(精神科の費用)
(1人当たり1回5,000円で、上限30,000円まで。資力要件有り)
※②付き添い
VSCOでは支援をする時、3人でチームを組みいつも同じ支援員が、警察や検察庁、病院等にも付き添います。
●自宅で性被害にあった会社員Eさん
会社員のEさんは、ひとり暮らしのマンションで、就寝中に侵入してきた男にレイプされました。警察に届け出ましたが、加害者が捕まらず、事件のあった部屋では生活できなくなり友人宅で数日を過ごしました。別のマンションに引っ越しをすることになりましたが、急な引っ越しだったため違約金も取られ、その月の家賃は二重払いとなりました。Eさんは、警察から聞いてVSCOに電話をかけてきました。VSCOは、※③全国ネットワークの緊急支援金を申請し、そのお金を引っ越し費用の一部にあてることができました。
警察が産婦人科に連れて行ってくれ、受診の費用は岡山県警察の「性被害に関する公費負担制度」が適用されました。誰かといるときはよいのですが、ひとりになると怖くて夜も眠れません。職場には自宅に強盗が入ったと伝えましたが、性被害にあったとは言えませんでした。職場で加害者と似たような男性を見るとフラッシュバックにより、過呼吸・めまい・手の震え等がおきました。被害に負けたくない思いから、事件後も休まず出勤していましたが、フラッシュバックがくりかえされるため、Eさんは、精神科医の受診を希望しました。VSCOは、提携する犯罪被害者に精通した精神科医での受診を勧めました。経済的に余裕がないEさんのために、VSCOは、※①VSCOの犯罪被害者支援金で精神科の受診費用・薬代・交通費を負担しました。受診には毎回VSCOの支援員が、付き添いました。精神科で診断書を書いてもらうことができたため、病気休暇で会社を休むことができました。
休養のため実家に戻り、会社にもお願いして実家の近くの支店に転勤することができました。実家に帰って安心しその支店に通えるようになりました。Eさんは、「VSCOのような団体があって、こうして支えてくださる方々がいて感謝しています」と、言われました。
※③全国ネットワークの緊急支援金
全国被害者支援ネットワークから、緊急支援金が支給される場合もあります。
●昼間性被害にあったFさん
Fさんは、昼間道を歩いていて、突然複数の男性に車に連れ込まれレイプされました。誰にも事件のことを話せずに2日経過。相談した相手がVSCOのことを知っていて、電話をしてきました(被害後72時間以内)。本人は「忘れたい」と家族にも相談できませんでした。警察に相談しないと言うので、岡山県警察の「性被害に関する公費負担制度」の利用もできず、「※④VSCOの性犯罪被害者のための緊急支援金」で、初診料、検査経費、緊急避妊措置経費をVSCOが負担しました。産婦人科の受診には一人では不安なので、毎回支援員が付き添いました。VSCOと産婦人科医会が提携していることにより、他の患者さんと接することなく受診できたり、VSCOからの情報提供書で、本人が事情を何度も話さなくてもよいなどの病院の配慮がありました。
※④VSCOの性犯罪被害者のための緊急支援金
VSCOの支援金(産婦人科の費用)(被害後 原則72時間まで)