支援の事例 特別支援学級の生徒への性被害

●特別支援学級のKさん

 K さんは、遊びに行った帰りに駅で知らない男性に呼び止められ、障がい者トイレに連れ込まれてレイプされました。K さんは、そのことを周囲に打ち明けることができませんでした。K さんのお母さんが、お風呂に入っているK さんの様子を見て、妊娠に気づきました。

悪質な加害者に障がいを利用されて被害に遭う知的障がい者もいます。被害に遭ったことも言えず、自分の妊娠に気づかないこともあります。

病院の産婦人科に行ったK さんのお母さんに、窓口の人が「VSCO に相談したら」と、アドバイスをし、VSCO とつながりました。VSCO の支援員は病院に出向き、病院の相談室を借りて面接も行いました。K さんのお母さんは警察に相談に行き、被害届を出すことにしました。
 K さんは、警察署で警察官からの問いかけにきちんと答えることができませんでした。机の上に置いた地図で被害に遭った場所を指し示すことができず、事件に遭った日もわかりませんでした。日時も場所も特定できず、被害届は出せませんでした。K さんは、中絶手術を受けました。お母さんは、「中絶できて良かったです。ありがとうございました」と言われました。

知的障がいがある被害者の場合、警察へ被害届を出すことが困難な事例が多くあります。